【数学Ⅱ】定積分で定義された関数の解き方




こんにちは、受験サポートです。この記事では《定積分で定義された関数》の問題について解説していきたいと思います。

(この記事は「数学がとても得意だ!」という人向けではなく、むしろ、「数学の理論が理解できん!さっぱりだ!」という人向けに作られています。記事を読んで「当り前じゃねーか!」と思った方は申し訳ありません。)





1.定積分で定義された関数の基本問題



さて…定積分で定義されたと一言で言っても、どんな問題か想像がつかないと思います。要するに下のような問題のことです。

等式 $f(x) = 1 + \int_0^{2} x f(t) dt$
を満たす関数$f(x)$を求めよ
この問題は、数学Ⅱの積分の範囲に含まれるものです。$f(x)$を求めるだけという単純明快な問題ながら、積分の意味を正しく理解していないと正解できないため、多くの高校生が躓く問題です。


解法



$\int_0^{2} f(t) dt=k (k:定数)$・・・①と置くと、

$f(x) = 1 + kx$・・・②

①、②より
$k=\int_0^{2} f(t) dt=\int_0^{2} (1+kt) dt=\left[ t + \frac{1}{2}kt^2 \right]_0^{2}=2+2k$

これを解いて、$k=-2$

よって、$f(x) = - 2x + 1$


ポイント

「なぜ初めに$xf(t)のx$を積分の外に出すのか?」

このような質問がよくあります。確かに$\int_0^{2} x f(t) dt=k$と置いてしまっても一見よさそうに見えます。
しかしながら、ここでは$\int_0^{2} x f(t) dtを定数k$で置くことはできません。それはなぜでしょうか?

理由は$x$にあります。積分の中身が$f(t)$だけであれば、関数$fはt$のみによって値が定まる関数ですから、それを$t$で積分した値は当然、定数です。
ですから$\int_0^{2} f(t) dt=k(k:定数)$という等式が成立します。

一方、積分の中身が$xf(t)$の場合、わかりやすく$g(x,t)=xf(t)$と置くと、関数$gはxとt$がわかってはじめて値が定まる関数です。どちらか一方だけでは定数にはなりません。
ですから$\int_0^{2} g(x,t) dt=k(k:定数)$という等式は成立しません。($=k(x) (k:xの関数)$と置くのは可能ですね。意味はありませんが)

ここまで考えられればあとは計算のみです。xという文字をtに置き換えてしまえば$f(x) = 1 + kx$から$f(t) = 1 + kt$が簡単に求まりますから、これを$0 \le t \le 2$の範囲で積分します。



続いて、この問題の応用問題について解説していきます。

2.定積分で定義された関数の応用問題



等式 $f(x) = 1 + \int_0^{1} x t f(t-1) dt$
を満たす関数$f(x)$を求めよ
さて、一気に問題の難易度が上昇しました。しかし、先ほどの理屈と同じようにしてこの問題も解くことができます!

解法

$\int_0^{1} t f(t-1) dt=k (k:定数)$・・・①と置くと、
$f(x) = 1 + kx$・・・② よって、 $f(t-1) = 1 + k (t-1)$・・・②'
①、②'より
$ k = \int_0^{1} t f(t-1) dt $
$ = \int_0^{1} t (1+k (t-1)) dt $
$ = \int_0^{1} {(1-k) t + k t^2} dt $
$ = \left[\frac{1}{2} (1-k) t^2 + \frac{1}{3} k t^3 \right]_0^{1} $
$ = \frac{1}{2} (1-k) + \frac{1}{3} k $
$ = \frac{1}{6} (3-k)$
これを解いて、$k=\frac{3}{7}$
よって、$f(x) = \frac{3}{7} x + 1$


ポイント

先程の問題と比較してみます。変化した点は二つです。
  1. 積分の中に$t$が追加された
  2. $f(t)$ が $f(t-1)$ になった
一つずつ見ていきます。

まず、積分の中に$t$が追加されたという問題点。これは先ほどの理論を使えば、$x$は外に出せても、$t$は積分の外に出せないのが一目瞭然です。なぜなら、この積分は$t$が0から1の値で積分しているのですから。

外に出せないので、$\int_0^{1} t f(t-1) dt$全体を定数$k$と置いたのです。
$h(t) = t f(t-1)$として$\int_0^{1} h(t) dt$を計算したのだと考えれば簡単ですね。

次に、$f(t)$ が $f(t-1)$ になったという点。これも冷静になれば単純です。

$f(x) = 1 + kx$という式で、$x=t-1$ として、$f(t-1) = 1 + k (t-1)$を導出すればよいのです。
$f(x) = 1 + kx$は$x$がどんな値でもこの式が成り立つ、ということを示しているのですから、当然、$x=t-1$の時も成立しますね。

ここまで考えられればあとは計算のみです。ちょっと分数計算がややこしいですが頑張ってみてください。

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