東工大の学院の特長とは?!【2019年度版】

こんにちは。受験サポートです。

このページでは東京工業大学、通称東工大の受験前に知っておくべき学院ごとの特長や入学難易度について紹介していきます!

人生を左右しうる学部選び、しっかりしておきたいですよね?入学前から自分の進路、やりたいこと見出しておくと、受験までのモチベーションにもつながって大変良いです。




1.東工大の6学院制度とは?

まず東工大を受験するにあたって覚えておくべきことは、東工大の学部(すなわち修士、博士でない1~4年生)は6つの『学院』に分かれているということです。大学院ではないのですが、所属は『学院』と言います。『学部』とは言いません。とても紛らわしいですね…

この学院という制度は東工大の前学長である三島氏の教育改革によって2016年4月から導入されました。学士課程と修士課程、博士課程の教育カリキュラムを継ぎ目なく設計し、学修しやすい教育体系の提供を目的としているようです(東工大HPより抜粋)。
結論から言うと、今まで第5類の中に両方ともあった「情報工学系」と「情報通信系」が、別々の学院に分かれたりしました。正直、教育カリキュラムがより複雑になったような…


それでは、各学院の特長を紹介していきます。


1.1.理学院


所属可能な系(学士過程)
  • 数学系
  • 物理学系
  • 化学系
  • 地球惑星科学系

「自然界はどのようにしてできているのだろう?」という基本的な原理への興味や関心をモチベーションに、法則や論理を探究するのが理学です。理学院では、論理を積み重ねて構築される定理の美しさや、分子・原子等のミクロの世界の仕組み、さらには地球の内部や宇宙の構造に至るまで、あらゆる現象の奥に潜む法則を学びます。化学系では、思考や実験によって、いろいろな物質同士を反応させて、誰も見たことのない新しい物質を生み出すことができたときの喜びを得られます。(理学院HPより抜粋)


1.2.工学院


所属可能な系(学士過程)
  • 機械系
  • システム制御系
  • 電気電子系
  • 情報通信系
  • 経営工学系
工学は、人類を幸せにするための枠組である「文明」に貢献する学問です。工学院は5つの系と、その先の大学院課程からなり、人の生活が豊かで快適なものとなるための工学技術を学び、さらにそれらを進化させていく研究活動を体験します。例えば、地球温暖化を阻止できる再生/省エネルギー技術、少子高齢社会を支える実用的な介護ロボットや人の機能補完のためのアシストロボット、脳機能と身体のダイナミクスを考慮した機器や人間そのものの制御、人の五感を活用できる革新的なインターフェース機器や情報通信網等、さまざまな先進技術の開発につながると考えられます。(工学院HPより抜粋)


1.3.物質理工学院


所属可能な系(学士過程)
  • 材料系
  • 応用科学系
東工大は、応用化学・材料工学分野で世界トップレベルの研究陣容を誇り、これまでに素晴らしい実績を持っています。私たちの生活の質を向上し、環境・資源・エネルギー等の課題を解決する方法を学び、新しい物質開発の方法を創り上げていくことを目指しています。化学や材料の研究に特化した全国研究拠点と認定されている附置研究所等も擁しており、高学年に進むにつれて、世界を先導する研究に触れ、その一端を担っていただくことになります。(物質理工学院HPより抜粋)

かの有名なノーベル化学賞受賞者、白川英樹氏を輩出したのも前身の理工学部化学工学科ですね。


1.4.情報理工学院


所属可能な系(学士過程)
  • 数理・計算科学系
  • 情報工学系
情報を見たり、分析したり、私たちが活用できるようにするために、高度な数学理論高性能コンピュータの技術人工知能等、数多くの研究が進められてきました。そうした「情報」に関する高度な理論から最先端の技術まで、理学と工学の両方の視点から追究しているのが情報理工学院です。明らかにすべき真理や開発すべき技術が、まだ数多くあります。思いもつかなかった応用も沢山あるはずです。情報理工学院では社会に貢献できる情報科学技術を目指します。(情報理工学院HPから抜粋)


1.5.生命理工学院


所属可能な系(学士過程)
  • 生命理工学系
生命理工学院では、ライフサイエンステクノロジーに関する幅広い専門的知識を学び、世界最高レベルの研究や開発を推進します。4年目には、学士特定課題研究(卒業研究)で最先端研究のスタートにつきます。そして大学院では、主に生命系の先端科目を学修し、研究を行う「生命理工学コース」化学、材料、機械、電気・電子、情報等の分野と生命系分野を融合して学修し、研究を行う「ライフエンジニアリングコース」があります。(生命理工学院HPから抜粋)

かの有名なノーベル生理学・医学賞受賞者、大隅良典氏が教授を務めておられました。


1.6.環境・社会理工学院


所属可能な系(学士過程)
  • 建築学系
  • 土木・環境工学系
  • 融合理工学系

現在、大きく方向転換しつつある地球・都市環境及び社会情勢の変化の中で、さまざまな分野を横断する複合的な問題が発生しています。環境・社会理工学院では、そのような複合的な問題の解決に貢献できる人材を育成することを目指しています。社会で求められる最新の技術・価値・概念を理解し、世界の異分野の技術者と円滑なコミュニケーションを図りながら、その技術を評価・統合するマネージメント能力を備え、具体的な提案ができる、未来指向型グローバル人材を世界へ向けて輩出します。(環境・社会理工学院HPから抜粋)




2.学院ごとの難易度は?

ここから受験チックな話をします。
東工大を受験する際には第1志望~第3志望の学院を記載します。ここで重要なのが、第3志望として書いてあろうと、第1志望で出した人より1点でも高ければ合格する、という本学のシステムです。つまり、第1、第2に自分の行きたい学院を書いて、第3志望に自分の志望分野に関わらず最も引っかかりやすい倍率の低い学院を書けば、合格率がグッと高まるのです。

そこで知りたいのが、学院ごとの倍率ですよね。学院制となったのがちょうど今年の入試(2018年度)からなので、直近一年のデータしかありませんが、このような結果でした。


東工大倍率最低点.PNG

倍率は(受験者数)/(合格者)で算出しています。

近年のAI、ディープラーニングの大ブームにより、情報理工学院の人気が止まりません。2017年度入試にて工学院(当時の第4類)を最低点で逆転して以降、他院の追随を許さず、圧倒的な難易度を誇っています。大手予備校によると、その難易度は京都大学と同程度とも言われています。

東工大の花形とも言える工学院もハード志望(機械系)、ソフト志望(情報通信系、システム制御系)の両方を取り込み、難易度を維持しています。
情報分野を志望している受験生は、第1志望「情報理工学院」、第2志望「工学院」として、「情報工学系(情工)」「数理計算系(情工)」「情報通信系(工)」すべてを志望するのが一般的なようです。

理学院、物質理工学院、環境・社会理工学院も人気も落ちることなく、難易度は横ばいorやや上昇しています。

そして、最も倍率が低く、合格最低点が低く、受かりやすい学院は『生命理工学院』です。なんと、最も倍率の高い『情報理工学院』とは71点も最低点に開きがあります。全体の点の1割です。数学の大問1つ+化学の小問2つほどの点差です。こう聞くといかに『生命理工学院』が(言い方は悪いですが)ザルかお分かりいただけると思います。


生命系が相対的に不人気である理由は2つあります。

まず、東工大の入試では生物を使用できないという点。これは大きいです。多くの生命・バイオ系を志望する受験生は生物受験が可能な東大、東京農工大など、その他の関東圏の大学に流れます。かといって物理・化学受験で生体に興味のある人は医学部を目指してしまいます。

次に、2年進級時に選べる系が他の学院に比べて限定される点。前章で紹介したように、所属可能な系は、他の学院ですと複数あるのに対し、生命理工学院だけは確定で「生命理工学系」と、逃げ道がありません。ですから、高校時代、生物があまり好きではなかった人から敬遠されがちなのです。

こうした理由から受験生が敬遠されがちな『生命理工学院』ですが、第3志望、すなわち滑り止めとして書くことにより、東工大に合格する確率を高めることができます。

3.出願時の志望院はなんて書く?

先程の章では第3志望には倍率の低い学院を書こう、という話をしました。

昨年度のデータを見れば、第3志望には「生命理工学院」と書くことで合格可能性が高まることは一目瞭然です。

しかしながら、受験生の方の中には「生命系を専門になんてしたくない!」という方もいるかもしれません。「俺は大学で情報を専攻したいんだ!」とか、皆さんいろいろな信念をもって勉強してきているはずですから、そう思うのも当然のことです。

事実、自分のプライドを持って、生命系を滑り止めに使わなかった受験生もたくさんいます。何を隠そう私もその一人です。
私の年では『学院』での志望ではなく『類』での志望(第2志望まで)だったのですが、私は第1志望『第4類(今の工学院に相当)』、第2志望『第5類(今の情報理工学院に相当)』と願書に書きました。

結果、幸運にも第1志望類に合格することができましたが、その時の私の点数は、4類の合格最低点+10点未満という、まさに薄氷を踏むような受験結果でした。そして、この時の4類と5類の最低点の差はわずか9点…。すなわち私は10数点低かったらこの大学にはいなかったわけです。

正直ゾッとしました。今だからわかります。どんな学部でもいいから、とにかく大学に入ってしまえば、いくらでも自分の満足する進路には出会えます。しかし、くだらないプライドで滑り止め学部を書かずに大学に落ちてしまえばそれまで。高いレベルの授業を受けることができなくなってしまうのです。

大学は高校と異なり、自分である程度好きな授業を取ることができます。1年時は教養科目ばかりで特にカリキュラムを外れる必要はありませんが、2年生からは自分が望めば、自分が元々志望していたり、後から興味がわいた他の系の授業を取ることも全然可能です。要は、主専攻こそ決まっていても、自分の深めたい知識はどんどん吸収していけるのです。それが大学です。

さらに言えば、生命理工学院から自分のやりたい分野を探すことは、案外簡単です。

これはほんの一例ですが、
などがあります。ほかにもたくさんの研究室があります。詳しくは生命理工学院の研究室紹介ページに書かれています。


何度も言いますが、高校生の段階での自分の視野にだけ囚われて、自らの志望先に制限をかけ、せっかく東工大に入学するチャンスを棒に振るのは本当に本当にもったいないことです。はっきり言って大学で様々なモノ、コトに触れあっているうちに、ほとんどの確率で自分の志望分野が変わっていきます。私も、私の友人もそうです。
さらに、それぞれの学院から行ける大学院の研究室には、皆さんが思い描いているよりたくさんの種類の分野があります。たとえ希望の学院に行けなかったとしても、滑り止めの学院から本来の志望に近い研究室に進むことは大いに可能です。




4.入学後に転系って可能なの?

それでもやっぱり第1希望の学院に行きたい!という方も多いでしょう。大丈夫です。東工大は勉強を頑張る学生にはたくさんの選択肢を残してくれます。

仮に皆さんが第3志望の滑り止めの学院に引っかかって合格したとしましょう。しかし、その後に”留年することなく”元の希望の学院に進むシステムが存在します。それが『転系(または転院)』です。


どのようなシステムかというと…

  • 1年の終了時に自身の成績が公開されます。
  • この時、その学院全体での成績順が公開されます。
  • そして、進級にあたり、希望の系をWeb上で第4志望まで申告します。
  • 本来、希望する系は入学した学院内のものでなければなりません。(例えば理学院なら「数学系」「物理学系」「化学系」「地球惑星科学系」の4つのうちいずれか)
  • しかし、成績上位者(およそ学院内の上位1割程度)は所属する学院外の系を志望することができます。いわゆる転系です。
  • 成績上位者から系を確定させて行き、枠が余っていた場合、転系に成功します。
  • 転系に失敗した場合でも、留年することなく、所属学院内の第2志望の系に進級します。
入学してみてやっぱり行きたい系がある!という方はチャレンジしてみるといいでしょう。

ちなみに私はそれなりに勉強に励んだ結果、どの系にも転系が可能なくらいの成績を取りました。


5.おわりに

いかがでしたか?東工大を受験する上で覚えていてほしいのは、第1、第2志望に今行きたい学院を書き、第3志望に最も最低点の低い『生命理工学院』を書く、これだけです。

もちろん最もうれしいのは、皆さんが第1志望で合格することです。
そうなるよう、これからも有益な記事を書いていくつもりですので、よろしくお願いいたします。




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juken.goukaku.sapoto@gmail.com


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